犬を飼う際に必要な予防接種には、大きく分けて「狂犬病予防注射」と「混合ワクチン」の2種類があります。どちらも似たようなものと思われがちですが、目的や法律上の位置づけが異なります。それぞれの違いと接種時期を整理しておきましょう。

狂犬病予防注射は法律で義務化されている

狂犬病予防注射は、狂犬病予防法により、生後91日以上の犬の飼い主に年1回の接種が義務付けられています。狂犬病は発症するとほぼ100%死に至るとされる人獣共通感染症で、国内では長年発生していませんが、海外からの侵入リスクに備えるため、すべての犬に接種が求められています。多くの自治体では、毎年春に集合注射や動物病院での個別接種の案内が届きます。

混合ワクチンは任意だが強く推奨される

混合ワクチンは、ジステンパーやパルボウイルス感染症など、複数の感染症を予防するためのワクチンです。法律上の義務ではありませんが、感染すると命に関わることもある病気を防ぐため、多くの動物病院で接種が強く推奨されています。子犬のころは母犬からの免疫が残っているため、生後6〜8週齢ごろから複数回に分けて接種し、その後は年1回の追加接種が一般的です。

接種のタイミングと注意点

子犬の場合、初回のワクチン接種スケジュールは生後の週齢によって異なるため、かかりつけの動物病院で相談しながら計画を立てることが大切です。また、狂犬病予防注射と混合ワクチンは、体への負担を考慮して、通常は一定の間隔をあけて接種します。接種後は激しい運動やシャンプーを避け、体調の変化がないか数日間よく観察しましょう。

ワンポイントアドバイス:狂犬病予防注射を受けると、自治体から「注射済票」が交付されます。犬の鑑札とあわせて、首輪などに着けておくと、万が一の迷子の際にも役立ちます。

予防接種は、愛犬自身の健康を守るだけでなく、周囲の犬や人への感染拡大を防ぐという社会的な役割も担っています。スケジュールを把握し、かかりつけ医と相談しながら、計画的に接種を行いましょう。